皆さま、新車のお店|ON FLEEKのブログをお読みいただきありがとうございます。
今回のブログは、まさに今問われているトヨタの新車長納期問題についてです。軒並み納期がかかっているトヨタですが、他メーカーへのお客様の流出とキャンセルもでてきている状況です。そんな中、状況を改善するためにトヨタでは「全社緊急課題」と題して議論が行われました。その内容と今後のトヨタの展望を予想していきたいと思います。
1,トヨタ 全社をあげた長納期対応について
クルマづくりに関わるさまざまな部門から、長納期への対応が説明されるなか取り組みを語ったのは販売部門でした。特に影響が深刻な地域として、国内販売事業本部の赤尾克己 副本部長がメーカーとお客様との間に立つ現場スタッフの頑張りを伝えました。
さらに、コロナの影響で販売店の受け入れ体制が縮小傾向だったこともあり、今後せっかく運ばれた1台がお客さまに速やかに届けられなくなる事態を回避すべく、全国のトヨタの中古車を扱うトヨタユーゼックのヤードが使えないか。また、納車前点検やオプション取り付けを行う新車点検センターのキャパシティが不足した際に、全国にあるデンソーのサービス拠点と連携ができないかなど検討を進めていると発言しました。
もう一つ、この場で紹介したのが何十年も続くトヨタの需給の仕組みを大きく変えるJ-SLIM(Japan Sales Logistics Integrated Management)というシステムです。これまで、納期は3カ月先までしか示せなかったが、その先まで知らせることができるようになるということで改善が図られそうですね。
J-SLIMについては、友山茂樹 同本部長がさらに補足され「短期的な対応に限らず、これを機に、従来の商品、生産、調達、需給、販売のあり方に、大きくメスを入れて抜本的な改善を図る必要がある」と指摘されました。
2,お客様は「納得」でなく「諦め」である
「既にオーダーいただいているお客様には、長納期の状況を十分理解していただけていると思う。しかし、この理解は『納得』ではなく、『諦め』に近い」全トヨタ販労連を代表して参加した菅野朋之委員長代行は長納期下でのお客様の反応をこう表現されました。
販売の現場では、おおよその納期も伝えられない実態があること。他メーカーに流れてしまうお客様がいること。販売の最前線の実状と店舗で必死に働くスタッフの努力を語りました。
こうした声を受け、販売・事業を担当する宮崎洋一CCO(Chief Competitive Officer)は、「会社の外から中を見る感覚を持たないといけない。お客様にとっては、メーカーの理屈よりも『自分のクルマはどこにあるのか、いつ届くのか』が一番の関心事になる」という豊田章男社長の言葉を紹介しました。
続けて宮崎CCOは半導体不足の影響で、国内生産の比率が落ち込み、国内と海外の生産比率が崩れたと解説。
「この比率のひずみが大きくなり、受注残が減らない(納期が伸びている)ことは、危機的な状態。2023年1~3月については、国内向けの増産の検討を進めていきたい」とした。従来は、店舗在庫が平均で240台あったがコロナ禍で一時、6台程度と約1.8日分に。日本だけではなく、グローバルで配車に苦労しお客様や販売店や迷惑をかけている実態についても補足されました。
3,トヨタ 全社総出の長納期対応
ここから、長納期に対して、各部門がどのように向き合っているか、それぞれの代表者らが答えた。
「半導体は投資規模が大きく、クルマの動向を将来にわたって把握できないと(増産の)判断ができない」として、半導体メーカーとの直接交渉の重要性に言及しました。
半導体不足に向き合うのは、調達だけではない。Chief Technology Officerを務める前田昌彦副社長は、設計面での対応についてこう話されました。「設計を変えてほかの半導体を使う。他のメーカーのものを使う。中期的には、構造そのものを変えるといった何段階かの対応をやる。それにより、(半導体を)入手しやすくする。もしくは、入手しにくいものを減らしていく」と意気込みを語りました。
Mid-size Vehicle Companyの中嶋裕樹プレジデントは、代替品探しやそれに伴う評価・法規認証の作業に追われている開発現場の苦労に言及。専任部隊をつくって、仕事の負荷を下げたり、設計変更手続きの簡素化を図るなどの取り組みが始まっている事例も紹介しました。
組合からは、新たな取り組みを前に、影響のある部署の巻き込みや情報のやりとりに時間と工数がかかっているという問題点が提起され、業務の優先順位付け、部署を横断した協力体制など、会社に積極的な旗振りを求める声が挙がりました。
4,まとめ
トヨタの緊急課題に対しての責任者の方々の会議は、トヨタが常に改善とプラスアルファを考えながら進んでいることをあらためて知らされる内容だったかと思います。生産の長納期の事だけでなく、車の輸送から保管場所のヤード、納車手配、半導体の調達確保など内容は多岐にわたりますがトヨタが本気で取り組んでいる姿勢は見えたように感じました。※今回は会議の一部内容を抜粋して記載いたしました。
来年1月からは増産体制になるとはいえ、どこまでのものなのか・・(;^_^A
やはり少なくとも3年以上は長納期状態が続くのではないかと予測しています。根拠として車種によっては既に1年半待ちも出ていますし、その間も受注は入ることを考慮しますと3年はまず無いかなーと感じてしまいますね。
自動車販売業をメインとする私としては、トヨタがこれからも生産・輸送の改善を続け、納期が早くなることをねがうばかりです!
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